ごあいさつ

シアターランポン代表の武居卓です。
まさか自分が人生で代表を名乗る日がくるとは思ってもいませんでした。
せめてバイトリーダーぐらいかなと思っていました。

少しだけ真面目なお話をします。
僕、武居卓は松本の街に育てられた俳優です。
2007年に移住して16年。毎日この街の景色を見ながら稽古場に通い、アルプスを眺めて思考し、この街に住む人達に向かって芝居を演じてきました。
そして自分もこの街で働き、この街で家族を持ち、この街でしか生まれない演劇を模索してきました。

松本は芸術文化が育つ土壌がある街です。その街で串田和美前芸術監督を中心に、まつもと市民芸術館やTCアルプが20年という歳月をかけて土を耕し、たくさんの種を蒔きました。
今この街には芸術文化の小さな芽がそこら中に出はじめています。
ですが、すぐに花が咲くわけではありません。芸術文化は放っておけばあっという間に枯れ、土も固くなり、次の種も当分は植えられなくなってしまうかもしれない。

『この街で育った俳優として、松本で芽吹きはじめた芸術文化を守り育て、更に広げていきたい』TCアルプを退団してからそんな想いを持って悶々としていましたが、一人ではどうしたらいいのかわかりませんでした。
その僕の小さな想いの灯火に、ひとり、またひとりと仲間が集まってきてくれました。
明かりに集まってきたなんて虫みたいな役者達ですが、僕の芝居作りには欠かせない信頼できる仲間達です。この仲間達と共にtheatre LAMPONという団体を結成し、松本の芸術文化を更に発展させ、自分達の松本産演劇を作っていこうと思います。

『芸術文化』という野暮で堅苦しい言葉を沢山使ってしまいましたが、そんな生真面目な活動をしていくつもりはありません。今後はこの想いは心の奥に核としてしまい、今まで以上にバカみたいな夢みたいなお芝居を作っていくつもりです。
まだまだ小さな灯り「シアターランポン」に少しでも興味を持って応援して頂けましたら幸いです。どうぞ、よろしくお願い致します。

代表　武居卓